なぜ納豆は糸を引くのか?理由をわかりやすく解説

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納豆をかき混ぜると、あの独特のネバネバした糸が伸びますよね。同じ大豆を使った豆腐や豆乳は糸を引かないのに、なぜ納豆だけがあんなに糸を引くのでしょうか。外国人が納豆を初めて見たときに驚く理由のひとつでもあるこの糸の正体を、この記事ではわかりやすく解説します。

結論:納豆菌が作り出すポリグルタミン酸とフルクタンという物質が絡み合って糸を作るからです

一言で言うと、納豆が糸を引く理由は「納豆菌が大豆を発酵させる過程でポリグルタミン酸とフルクタンという粘性の高い物質を大量に作り出し、これらが絡み合って伸縮性のある糸状になるから」です。納豆の糸は納豆菌という微生物が生み出した天然のポリマーです。

なぜ納豆は糸を引くのか?納豆菌が作る粘り物質の仕組み

納豆は蒸した大豆に「納豆菌(枯草菌の一種)」を加えて発酵させたものです。納豆菌は大豆のタンパク質やデンプンを分解しながら増殖する過程で、特殊な物質を分泌します。

納豆の糸の主成分は「ポリグルタミン酸」という物質です。グルタミン酸(うま味成分として知られるアミノ酸)が何千個も鎖状につながった高分子化合物で、1本の糸の中には何千ものグルタミン酸分子が数珠つなぎになっています。このポリグルタミン酸の鎖が水分を含んで絡み合うことで、あの伸縮性のある糸が生まれます。

もうひとつの成分「フルクタン」は糖分子が鎖状につながったもので、ポリグルタミン酸とともに粘りを強化する役割を果たします。

たとえるなら、釣り糸を束にして水に濡らすイメージです。細い糸(ポリグルタミン酸の分子鎖)が無数に絡み合い、水分を含んでぬるぬるした状態になります。引っ張ると伸びて、離すと縮む。納豆の糸はこれと同じ構造が食品の中で実現しているのです。

かき混ぜると糸が増えるのはなぜか?

納豆はかき混ぜるほど糸が増えて粘りが強くなりますよね。これはなぜでしょうか。

かき混ぜる前の状態では、ポリグルタミン酸の分子鎖はある程度ランダムに分布しています。かき混ぜることで分子鎖が引き伸ばされて整列し、隣り合う鎖同士が絡み合いやすくなります。さらに混ぜることで空気が取り込まれ、泡の周囲にポリグルタミン酸が集まって糸状の構造がより発達します。

また混ぜることでタンパク質分解酵素が活性化して大豆タンパクがさらに分解され、うま味成分が増えることも確認されています。「納豆は400回混ぜると美味しくなる」という話は、この混ぜることによる粘り増加とうま味向上の両方を指しています。実際に混ぜる回数と味の関係を研究した実験でも、よく混ぜた納豆のほうがうま味が強くなることが確認されています。

ところで、納豆と同じく微生物の発酵が食べ物を変える仕組みとして「なぜパンは焼くと膨らむのか」でも酵母菌の発酵を解説しています。あわせて読んでみてください。

よくある関連疑問 Q&A

Q. 納豆の糸は食べても大丈夫なのか?
A. 全く問題ありません。ポリグルタミン酸は天然のアミノ酸由来の物質で、体内で分解・吸収されます。むしろポリグルタミン酸には腸内環境を整える効果・カルシウムの吸収を助ける効果があるとされており、納豆の糸ごと食べることが栄養面でも推奨されています。

Q. 納豆はなぜ独特の臭いがするのか?
A. 納豆の臭いの主成分は「ピラジン」「アンモニア」「イソ吉草酸」などの化合物です。これらは納豆菌が大豆のタンパク質を分解する発酵過程で生成されます。発酵食品特有の臭いは好き嫌いが分かれますが、この臭い成分の中には血栓を溶かす「ナットウキナーゼ」という酵素の生成とも関連しているとされています。

Q. 納豆は世界でも食べられているのか?
A. 納豆は主に日本独自の食文化ですが、近年は健康食品として世界的に注目されています。ナットウキナーゼの血栓溶解効果・イソフラボンの抗酸化効果・ビタミンK2の骨強化効果などが研究で示されており、海外の健康志向の人々の間でも消費が増えています。ただし独特の臭いと糸引きが受け入れられにくく、普及はゆっくりと進んでいます。

まとめ

納豆が糸を引く理由は、納豆菌が発酵過程でポリグルタミン酸とフルクタンという粘性の高い物質を生み出し、これらの分子鎖が絡み合って伸縮性のある糸状になるからです。かき混ぜるほど糸が増えるのは分子鎖が整列して絡み合いやすくなるためで、よく混ぜることでうま味も増します。日本が誇る発酵食品の糸の正体が、微生物が作り出した天然のポリマーだったとは驚きですよね。他にも気になる「なぜ?」があればぜひ他の記事も読んでみてください。


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プロフィール

元JapanMensa会員の「なぜとく」運営者です。 日常のふとした「なぜ?」を調べるのが好きで、このブログを始めました。「なんとなく知っているけど説明できない」ことを、誰でもわかるように解説することをモットーにしています。 理科や科学が苦手な方にも楽しんでもらえる記事を目指しています。

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