なぜ新幹線は速いのか?理由をわかりやすく解説

乗り物・物理系

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東京から大阪まで約2時間半で結ぶ新幹線。最高時速300キロ近いスピードで走る新幹線ですが、なぜこんなに速く走れるのでしょうか。電車なのに飛行機並みのスピードが出る新幹線には、速さを実現するためのさまざまな工夫が詰め込まれています。この記事では、新幹線が速い理由をわかりやすく解説します。

結論:空気抵抗を極限まで減らした車体設計と、強力なモーターと専用線路の3つが組み合わさっているからです

一言で言うと、新幹線が速い理由は「空気抵抗を最小化した流線型の車体・全車両にモーターを搭載した強力な駆動力・カーブや踏切のない専用線路の3つが組み合わさっているから」です。どれかひとつが欠けても新幹線のスピードは実現できません。

なぜ新幹線は速いのか?空気抵抗との戦い

時速300キロで走る乗り物にとって、最大の敵は空気抵抗です。速度が2倍になると空気抵抗は4倍になるという性質があるため、高速走行では空気抵抗を減らすことが最重要課題になります。

新幹線の先頭車両があの独特の長い「くちばし」のような形をしているのはこのためです。特にN700系の先頭部分は約15メートルもの長さがあり、空気をなめらかに切り分けて車体の周りに流すことで空気抵抗を大幅に減らしています。

この流線型の設計は「カモノハシ」の形からヒントを得たと言われており、単に見た目の問題ではなく科学的な計算に基づいた形です。実際にこの設計により消費電力が約15%削減され、トンネル通過時の「ドン」という衝撃音(トンネル微気圧波)も大幅に軽減されました。

たとえるなら、水の中を泳ぐ魚のようなイメージです。魚の流線型の体は水の抵抗を最小限にするために進化した形です。新幹線は空気という「見えない水」の中を泳ぐために、同じ原理で設計されています。

全車両モーターと専用線路が速さを支える

空気抵抗を減らすだけでは速くなりません。強力な駆動力と走りやすい環境も必要です。

普通の電車は一部の車両にだけモーターがついており、残りの車両は引っ張られて走ります。一方新幹線はほぼすべての車両にモーターが搭載されており、全車両で一斉に加速します。これを「分散動力方式」といい、強力な加速力と安定した高速走行を可能にしています。

また新幹線は在来線とは完全に分離された専用の線路を走ります。この専用線路には3つの重要な特徴があります。

①踏切がない:すべての交差点は立体交差になっており、車や人が線路を横切る踏切が一切ありません。これにより緊急停車の必要がなく、常に高速走行を維持できます。

②カーブが緩やか:高速走行中にカーブがあると遠心力で車体が傾き、速度を落とさなければなりません。新幹線の線路はカーブを極力少なくし、あっても半径が非常に大きく緩やかに設計されています。

③線路の精度が高い:時速300キロで走る車両にとって、線路のわずかなズレも大きな振動になります。新幹線の線路は1ミリ単位で管理・整備されており、高速走行でも安定した乗り心地を実現しています。

ところで、新幹線と同じく速さのために空気抵抗と戦う乗り物として「なぜ飛行機は飛べるのか」も気になりませんか?飛行機が揚力を生み出す仕組みを解説した記事もあわせて読んでみてください。

よくある関連疑問 Q&A

Q. なぜ新幹線はトンネルに入るとドンと音がするのか?
A. 新幹線がトンネルに高速で入ると、トンネル内の空気が急激に圧縮されて出口から衝撃波のような音が出ます。これを「トンネル微気圧波」といいます。流線型の先頭形状はこの衝撃を和らげるためにも設計されており、カモノハシ型の先頭部が導入されてから出口での衝撃音が大幅に減少しました。

Q. リニアモーターカーは新幹線とどう違うのか?
A. リニアモーターカーは車輪で線路の上を走るのではなく、磁力で車体を浮かせて走ります。車輪と線路の摩擦がないため、時速500キロ以上という新幹線を大幅に超える速度が出せます。現在建設中のリニア中央新幹線が開通すると、東京〜名古屋間が約40分で結ばれる予定です。

Q. 新幹線はなぜ脱線しないのか?
A. 新幹線の車輪にはフランジという内側の突起があり、線路からはみ出さないように設計されています。また地震を感知すると自動的に電力を遮断して緊急停止するシステムも備わっています。2004年の新潟県中越地震では走行中の新幹線が脱線しましたが、乗客に死者は出ませんでした。これ以降さらに安全システムが強化されています。

まとめ

新幹線が速い理由は、空気抵抗を極限まで減らした流線型の車体設計・全車両にモーターを搭載した強力な駆動力・踏切やカーブのない専用線路の3つが組み合わさっているからです。カモノハシのような先頭形状も全車両モーターも、すべて速さと安全を両立するための科学の結晶です。毎日当たり前に使っている新幹線の裏に、これだけの技術が詰め込まれていたのですね。他にも気になる「なぜ?」があればぜひ他の記事も読んでみてください。


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プロフィール

元JapanMensa会員の「なぜとく」運営者です。 日常のふとした「なぜ?」を調べるのが好きで、このブログを始めました。「なんとなく知っているけど説明できない」ことを、誰でもわかるように解説することをモットーにしています。 理科や科学が苦手な方にも楽しんでもらえる記事を目指しています。

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