家の中でスマホやパソコンをWi-Fiにつないでいると、壁や天井を隔てた別の部屋でもインターネットが使えますよね。でも考えてみると、壁は光も音もある程度遮るのに、なぜWi-Fiの電波だけは通り抜けられるのでしょうか。この記事では、Wi-Fiが壁を通り抜ける理由をわかりやすく解説します。
結論:Wi-Fiの電波は「波長が長く」壁の素材をすり抜けられるからです
一言で言うと、Wi-Fiが壁を通り抜ける理由は「Wi-Fiが使うマイクロ波という電磁波が、木材やコンクリートなどの一般的な建材の分子の隙間をすり抜けられる波長を持っているから」です。電波はすべての壁を通り抜けられるわけではなく、素材や厚さ、電波の種類によって通りやすさが大きく変わります。
なぜWi-Fiは壁を通り抜けるのか?電波の性質から考える
Wi-Fiは「マイクロ波」という種類の電磁波を使って情報を送受信しています。電磁波には光・紫外線・X線・電波などさまざまな種類があり、波長の長さによって性質が大きく異なります。
光は波長が非常に短いため、壁などの固体にぶつかると反射・吸収されて通り抜けられません。一方、Wi-Fiが使うマイクロ波は光より波長がずっと長く、木材やコンクリート・石膏ボードといった一般的な建材の分子構造の隙間を通り抜けられる性質を持っています。
たとえるなら、網目の違う網でボールを受け止めるイメージです。目の細かい網(壁に対する光)は小さなボールも止めてしまいますが、目の粗い網(壁に対するWi-Fi電波)は大きなボールがすり抜けていきます。Wi-Fiの電波は「網目より大きいボール」なので、多くの壁をすり抜けられるのです。
どんな壁は通りにくいのか?電波を遮るもの
Wi-Fiの電波がすべての壁を通り抜けられるわけではありません。特に金属は電波を強く反射・遮断します。鉄筋コンクリートの建物でWi-Fiが届きにくいのは、コンクリートの中に鉄筋(金属)が入っているからです。
また、水もWi-Fiの電波を吸収しやすい素材です。電子レンジが水分子を振動させる仕組みと同じ理由で、水がWi-Fiの電波エネルギーを吸い取ってしまいます。水槽や分厚い水回りの壁の近くでWi-Fiが弱くなることがあるのはこのためです。
さらにWi-Fiには主に2種類の周波数帯があります。2.4GHzは波長が長く壁を通り抜けやすい反面、速度が遅めです。5GHzは速度が速い反面、波長が短く壁に弱いという特徴があります。自宅のルーターで「2.4G」と「5G」が選べるのはこの違いによるものです。
ところで、Wi-Fiと同じく電波を使って情報を届ける仕組みとして、なぜ電話の声は届くのかを解説した記事もあわせて読んでみてください。
よくある関連疑問 Q&A
Q. Wi-Fiの電波は人体に影響はないのか?
A. Wi-Fiが使うマイクロ波のエネルギーは非常に弱く、現在の科学的知見では日常的な使用において人体への悪影響はないとされています。世界保健機関(WHO)も、現時点では健康被害を示す証拠はないとしています。
Q. なぜ電波の届く範囲に限界があるのか?
A. 電波は遠くに届くほどエネルギーが拡散して弱くなります。懐中電灯の光が遠くほど暗くなるのと同じ原理です。Wi-Fiルーターの電波は一般的に屋内で10〜30メートル程度が限界で、それ以上離れると信号が弱くなって通信が不安定になります。
Q. 機内モードにするとWi-Fiが使えないのはなぜか?
A. 機内モードはすべての電波の送受信を遮断するモードです。ただし航空会社によっては機内Wi-Fiサービスを提供しており、機内モードをオンにしたままWi-Fiだけを個別にオンにすることで使えます。携帯電波とWi-Fiは別々にオン・オフできる仕組みになっています。
まとめ
Wi-Fiが壁を通り抜ける理由は、Wi-Fiが使うマイクロ波という電磁波が、木材やコンクリートなどの一般的な建材の分子の隙間をすり抜けられる波長を持っているからです。ただし金属や水には弱く、鉄筋コンクリートの建物では電波が届きにくくなります。自宅でWi-Fiが弱い場所がある場合は、ルーターの位置や周波数帯を見直してみると改善するかもしれません。他にも気になる「なぜ?」があればぜひ他の記事も読んでみてください。